永遠無窮の創作庫

パソコンで色々やってみるブログです。自作小説、詩、TRPG、短歌、プログラミングなど。

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夏の思い出 その2

 学校の裏手には、ちょっとした林があって、次はそこに行った。
 林には僕らの秘密基地があった。
 今となっては笑ってしまうくらいちゃちな物だが、その時は真剣だった。
 目印の木のそばにある秘密基地のそばで、三人で喋った。

 秘密基地には、僕らが見つけたきれいな石や変な形の木が集めてあった。
 その中でも一番のお気に入りだった石を、未来にあげた。
 友達も、気に入っていた石をあげていた。
 その時の石には名前を付けていたんだけど、何だったかは覚えていない。

 秘密基地で、僕らはちょっと遅いごはんを食べた。
 三人ともお弁当を持っていたので、それを食べた。
 ちょっと交換したりもした。とても楽しかったのを覚えている。
 ごはんの中身は全然覚えていないけど。

 次に、川に行った。
 そんなに大きい川じゃないけど、僕らはよくそこで泳いだ。
 その日は未来もいたし泳がなかったけど、ちょっぴり川に入ったりはした。
 冷たいね、と笑う彼女の姿に、少しだけドキドキした。

 川に入った他には、石を投げたり、草で船を作ったりして遊んだ。
 何をやっても未来は楽しそうで、僕らもとても楽しかった。
 その時はなんとも思わなかったけど、ほんとうに楽しかった。
 そして、川を下っていった。

 川を下ると、海に出る。
 海に出て、海沿いを少し進むと、自然のプールみたいなところがある。
 そこには、イソギンチャクとか、海藻とか、よく分からないものがいた。
 未来はやっぱり、珍しがっていた。笑っていた。

 海でも、たくさん遊んだ。
 プールみたいなところでも、その先の砂浜でも遊んだ。
 砂浜では、ダムを作った。穴を掘って、波に壊されないように堤防を作って。
 ビーチボールも持っていたので、それでも遊んだ。

 そして、夕方になった。
 彼女は携帯を取り出すと、さっとメールのチェックをして、言った。
「そろそろ帰らなきゃ。駅まで行かないと」
 お別れは近づいていた。

 駅までの道のり、三人は無言だった。
 もう話すことがないというわけではなかったが、無言だった。
 もったいないことをしたようにも思うし、しかたがなかったのだとも思う。
 三人で、ただただ歩いた。

 そして、駅についた。ひぐらしが鳴いていた。
 三人の中に、言葉はなかった。
 言いたいことはたくさんあったが、言い出せなかった。
 そして、未来が口を開いた。

「今日はいろんなところに連れていってくれて、ありがとう。
 ほんとうに楽しかった。
 きっと私、あなたたちのことずっと覚えてる。
 どれだけ多くの人と会ったって、絶対、忘れないから」

 そのあと、僕はなんて言ったか覚えていない。
 一言二言、話して、未来はホームへ向かった。
 それが、最後だった。それ以来、彼女とは会っていない。
 名前と住む街しか知らない。連絡先も知らないのだ。

 夏は続く。その夏は特に暑さが続いて、夏が長い年だった。
 でも、僕の中で、僕らの中で何かが始まって、終わった。
 そんな一日だった。
 たった一人の女の子と会った、それだけだが、大切な一日だった。

 大切な、思い出。夏の思い出。
 僕にとっても、友達にとっても、そして多分、彼女にとっても。
 楽しかった子どもの頃の、大切な、大切な思い出。
 僕は忘れることはないだろう。


 いつまでも。
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[ 2011/05/08 07:57 ] 小説 | TB(-) | CM(-)

夏の思い出 その1

 僕らはあの夏の日に出会って、別れた。
 ただそれだけのこと、ただそれだけのことなんだけど。
 それは僕にとって、とても特別なことだったんだ。



「夏の思い出」



 日が登り、蝉たちが合唱する8月の朝。夏休み真っ盛り。
 僕は、朝から友達と二人で街を探検していた。
 ――そして、彼女に出会った。


「ねぇ、あなたたち、この近所の子?」
 駅の近くを探検してたときに出会ったその子は、最初、そう聞いてきたように思う。
「そうだよ」
 と、答えたはずだ。

「ここらへんに、どこか面白いところ、無い?」
 二言目はそれだった。
 面白いところなんていくらだってある。僕たちはそう思ってた。
 だから、一緒に行こうって、そう答えた。

「私は未来。あなたたちは?」
 僕たちは自己紹介をしあった。未来は僕達と同い年だってことを知った。
 遠くの町から来た未来は、今日だけこの町にいるらしかった。
 未来は知らないこの町を、一人で探検していたらしい。

 僕らは未来に、この町のいいところを全部教えようと思った。
 山も、川も、海も、林も、学校も、この町には何でもある。
 僕らはそう思っていたから、そう告げた。
 未来は、全部見てみたいと、そう答えた気がする。

 まず行ったのは、近くの山。
 そんなに高い山じゃないけど、僕らの足では頂上まで結構かかる。
 でも、頂上からはこの町全部が見渡せて、ちょうどいいんじゃないかって思ったんだ。
 だから、三人で登った。

 山の途中には、大きいミミズがいた。大きな蛾も飛んでいたし、キノコもあった。
 未来はどんな物を見ても、ちょっと驚いて、そして喜んだ。
 僕らにとっては普通のものでも、未来にとっては普通じゃないみたいだった。
 そんな未来を見て、僕らも楽しかった。

「わぁ、きれい」
 その日はとても天気が良くて、町が、海が、全部見渡せた。
 僕らのお気に入りの場所。
 僕らはよくここに来た。でも、その日の景色が一番きれいだったように思う。

 一日は、長いようで短い。日が落ちてしまったら、もう探検どころじゃない。
 僕らはずっと景色を見ていられたと思うけれど、すぐに次へ向かった。
 次は山の下り道の途中にある、花畑。
 ひまわりがいっぱい咲いていた。

「本物のひまわりは初めて見た……」
 未来はそう言って、おずおずとひまわりに近づき、触った。
 すごい、すごいと喜んでいた。
 僕らには何がすごいのかよく分からなかったけど、今なら分かるかも知れない。

 ひまわり畑を抜けて、次は学校。
 僕らの学校はあまり大きくないけど、鉄棒も、ブランコも、登り棒も、砂場もある。
 無駄に広いグラウンドもある。
 ぼろいけど自慢の学校だ。

「学校、かぁ」
 未来はなぜか、少し驚いたようだった。
 聞いてみると、学校らしい学校を見たのは初めてらしい。
 じゃぁどんな学校に通っているんだろう、とその時は思った。

(続く)
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[ 2011/05/08 07:56 ] 小説 | TB(-) | CM(-)

ちょっとした冒険

 どすんっ。ぐらぐらぐらっ。ぐっ、ふわっ、どしーん。

 突然我が家を襲った強い縦揺れと横揺れ、そして浮遊感と衝撃。そりゃぁもう、びっくりしたよ。僕はその時眠っていたんだけど、はっきりと目が覚めて、次の瞬間、寝床から飛び出したんだ。
 寝床から飛び出した僕が目にしたのは、ぐちゃぐちゃになった家の惨状だった。食べ物はひっくり返っているし、トイレも酷い有様。車は無事だったけど、いろんなものが引っかかってすぐには使えそうもない。
 こりゃぁ、掃除が大変だぞ、と思った次の瞬間だった。それに気づいたのは。いつも閉まっているドアが開いていたんだ。
 僕は一目散に駆け出した。だってそうだろう、君だってそうすると思うよ。人と接するとき以外ずっと閉まっていたドアが開いているんだ。そこがどうなっているのか見てみたいと思ってもいいじゃないか。

 そして僕は、初めて一人で外に出た。

 広かった。とってもとっても広かった。天井は見えないし、壁も背中と右手にしか見えない。そこら中にあるものは大きすぎて登れそうもない。思わず怖くなって、家に戻ろうかと思ったね。
 でも、前に進んだ。怖気付いてたら何にも出来ないぞ、と思って。折角のチャンスなんだ。もっといろいろなものが見てみたい。僕は壁沿いに、まっすぐまっすぐ進んだんだ。
 少し進むと、なにやら人の声が聞こえてきた。なんて言ってるんだろう、立ち止まって聞いてみる。
 なになに、震源の深さは約十キロ、マグニチュードは四だって? なんのことだろう。よくわからない。

 もう少し進めば誰かいるのかなと思って歩き出したら、明るいところに出た。そこには、四角い光ってる箱と、人がいた。一、二、三人。みんな座って、光る箱をみている。
「ニュース、おんなじ事しか言わないね」
 人の中で一番小さいやつがそういった。
「そうだなぁ」
 低い声が響く。
「あっ、ハム!」
 一番小さいのが僕の名前を叫んで立ち上がり、こっちに来た。
「あーっ、出てきてる、こんなところに」
 僕はすぐ見つかって、抱え上げられた。
 その後は、そのまま家まで連れて帰られて、小さいのがちょっぴり家の掃除をしてくれて、またドアが閉められて、おしまい。僕のちょっとした冒険もここまで。

 いきなりぐらっときたときはびっくりしたけど、いろんなものが見れて、楽しかったからいいかな。
 次の冒険はいつになるだろう、とか思いながら、掃除も面倒だし寝床に入る。
 ふわーぁ、おやすみ!



お題:『地震』『ハムスター』『ニュース』(三題噺ボット
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[ 2011/01/13 00:58 ] 小説 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

永無(忘年会P)

Author:永無(忘年会P)
永無です。ニコニコ動画では忘年会Pという名前を使用しています。
このブログでは、広く浅く、いろんな事に挑戦し、記事にしています。

ゲームを作ろう、小説を書こう、と、日々思いつつやってません。
アイデアだけが溜まっていく毎日です。

どうすればより面白いブログになるのか、試行錯誤中です。
よろしくお願いします。

興味があること:
動画作成,ゲーム作成,小説書き,
詩作,UTAU,MMD,TRPG,短歌,合唱,
将棋,麻雀,読書,X)HTML,CSS,
PHP,Javascript,ActionScript,
C++,HSP,Java



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